江ノ電探訪 |
当店の最寄の駅で
あった江ノ電、極楽寺を皮切りに
沿線風景や車両を紹介いたします。
●タンコロまつり 11月19日、極楽寺車庫で「タンコロまつり」と題するイベントがありました。 生憎の雨でしたが、結構見学者がおりました。タンコロとは101型、106型の ボギー車の愛称で、1両だけ保存されて普段は車庫で眠っています。 この日ばかりは主役として表舞台に登場し、内部も見学できます。 画像の左からタンコロ108、500型の先頭部、現役車両(臨時休憩所)です。 修繕所の一部にHOゲージの運転会が行われ、江ノ電を中心にペーパー自作の 車両が走っていました。外のテント内では記念グッズやお弁当の販売、Nゲージの 固定レイアウトでの運転体験が行われ、江ノ電マニアだけでなく、子供連れの 家族もたくさん来ていました。雨でなければバッテリー模型電車に乗車できたの ですが、この日は中止。 ●鎌倉駅周辺 江ノ電の鎌倉駅はJRに隣接しています。趣のない普通の終点駅ですので 画像はありません。そこで、近くで見つけたちょっと面白いものを2つ紹介します。 一つは江ノ電鎌倉駅から海方向に続く御成商店街が由比ガ浜商店街にぶつかる 地点の踏切近くにあります。駅名表には大町停留所跡とあります。鎌倉側が蔵屋敷、 藤沢側が琵琶小路と書かれています。江ノ電が藤沢より江ノ島まで開通した8年後 に鎌倉まで延伸し、当時の駅(停留所)は41ありました。鎌倉も当時は小町停車場 と呼ばれ、現在の鶴ケ岡八幡宮の二の鳥居前にありました。昭和24年に国鉄との 乗換えのため現在の場所に移りました。その小町から蔵屋敷、大町、琵琶小路、 学校裏、和田塚と、現在の鎌倉−和田塚間に4つの停留所があったわけです。 二つ目が鶴ケ岡八幡宮から海方向に伸びる若宮大路をJR鎌倉駅方向に少し 戻ったあたりに酒店、三河屋本店があります。 昭和2年に建造された建物は、なかなかの威容を誇った立派なものです。 そこに建造当時から荷物の運搬に使用したトロッコが、今でも現役として働いて います。店横の隣家との2mほどのスペースに歩道部分から奥の倉庫までレール が敷かれています。途中倉庫を避けた小さなカーブがある程度のほぼ直線の 1線です。軌間を実測したところ635mm。レールはかなり細いものです。 トロッコは1両のみで、2軸で車輪径は約300mm。右の画像の手前がトロッコ で、明るくなっている先が画像左と続き、その先が若宮大路です。 先ほどの小さなカーブではレールも磨耗し、時々脱線するそうです。 運が良ければ、トラックから降ろした荷物をトロッコに載せ、そして奥の倉庫まで 押して運ぶ作業を見ることができます。 ●極楽寺駅周辺−U 極楽寺駅から江ノ島寄り50mほどに車庫があります。昔は2連山形屋根の 4線車庫に工作室が付属したものでしたが、平成7年11月に今の素っ気無い ものに変わりました。1線、2線、1線の車庫が棟続きにあり、それを挟むように 屋外留置線が2本あります。留置線1本の駅寄りに更に1線の車庫があります。 極楽寺トンネルの長谷側出口の近くに、鎌倉七福神の一つである権五郎 神社があります。鳥居越しに電車を撮影した構図は過去に何度か発表 されて、いわば有名な撮影ポイントです。 7月28日、29日に境内で盆踊りが行われました。 ご当地ソングを持たない鎌倉では、氷川きよしの「ズンドコ節」に合わせて 踊っていました。 鳥居越しのこの構図を長時間露出で撮影しました。鳥居の下に流れる 光が電車の明かりです。 ●極楽寺駅周辺 鎌倉から4つ目の駅が極楽寺です。長谷から線路は山の方に向かい、 沿線唯一のトンネルを抜けると、カーブした片面ホームに小さな駅舎の 極楽寺駅です。 駅舎は昔ながらの風情を持ち、駅前の赤いポストが趣を加えています。 ちなみにこの赤いポストは鎌倉市内のあちこちに見られます。 駅前は一般の駅前の様相もなく、線路と並行した道路があるだけです。 近くによろずやが2,3軒とお土産屋さん、ラーメン屋さんぐらいで 今ではどこにでもあるコンビニはありません。 その道路を長谷の方に少し歩くと、北側に続く道路が分かれます。 分かれた道路は線路をオーバークロスし、橋はコンクリート製ながらも 赤く塗られています。 その橋から撮影したのが極楽寺トンネルです。赤レンガの馬蹄型をした ポータルは開業当時のものと思われ、なかなかのものです。 今ではクーラー完備で車両の窓を開けることはありませんが、トンネル内 はヒンヤリして自然の冷房とよばれたそうです。 先の線路と並行した道路で、トンネルの中央あたりと思われる道路脇に 石碑があり、その裏は小さな洞窟のようになっています。 その洞窟から冷気が吹き出ることがあり、どうも車両がトンネルに進入した 時に押し出されて噴出するようです。ちなみにその近くには水が染み出て サワガニが生息しています。 |